一般の広告代理店は課題解決のプロだが、ぼくらが立ち上げたGOは事業成長のパートナーになる。立ち位置が、目指す場所がそもそも違う。

 作るのはCMだけじゃない。その事業を進めるのに最適な組織を作ったり、事業展開のアイデアを出したり、会社の名前や人事制度を考えたりもする。

 なぜそこまでするのか? 彼らは社会の変化を察知して「変わりたい、変わらなければ」という想いを胸に、ぼくらGOの門を叩いてくれるからだ。

 ぼくらは全力でそれに応えたい。「いいから行けよ」といういつもの口癖を、500万倍くらい丁寧に、大声で叫び続けたい。

 GOのクライアントに対するスタンスと、ぼくが『人脈なんてクソだ。変化の時代の生存戦略』を通して皆さんに伝えたいことの根っこは、だいたい同じだ。変化の本質を把握し、凝り固まった旧来の発想にとらわれず、躊躇なく自分を変える。そのための知識と心構えと、ちょっとした工夫を書いた。

 昨日決まったビジネスのルールが、今日はがらっと変わっている。何十年も盤石だった 大企業が、ついこのあいだ起業したスタートアップにコテンパンにやられる。そんな激動の(でもクソ面白い)時代に生き残るのは、簡単なことではない。

 だけど、もう一度言っておこう。

 生き残るのは強い者ではなく、変化し続けた者だ。

――「スッキリ」出演で話題沸騰!! GO三浦崇宏のメッセージ

危機は突然来るものではなく、いつか必ず来るもの。<br />そう思って準備していたやつが本当に強いPhoto: Adobe Stock

「いつか津波がくるかも」を想定する

 変化に対応するには、どんな心構えでいればよいのか。

 ひとつは、あらゆる外部にネットワークを張っておくこと。そしてもうひとつは、思考をフラットにしておくこと。

 突然「ストロー、もういりません」と言われてパニックになるストロー会社の社長の気持ちはわかる。ただ、悩んだり嘆いたりしている暇などない。ストロー使用中止を決めた飲食店に「なんとか考え直してください」と何度も土下座している暇があったら、他の会社に「プラスチック使いませんか?」「ストローの金型使いませんか?」と挨拶に行ったほうがいい。騒がず、焦らず、思考はフラットに。

「ストロー業界を守れ!」とデモをしても、残念ながら社会の趨勢には抗えない。ストロー会社の方が気の毒なのは確かだが、いつの間にか“社会正義”は自分たちの側ではなくなっている。

 あくまでたとえだが、我々は常に、どんな業界であっても、海岸沿いの土地に居を構えているという意識でいたほうがいい。いつ津波が襲って来るかわからない。そればかりは予測できない。何も悪いことをしていなくても、真面目にやっていても、災厄が来るときは、来る。

 であれば、津波に抗おうとするのではなく、いざ津波が来たときに避難できるだけの足腰を常日頃から鍛え、水没して住めなくなったときのために移り住む「別の土地」のアタリを前もってつけておくべきなのだ。