脳の発達にはルールがある! 子どもが自分でできる、科学的に才能を伸ばす方法とは?
一般に、親はもちろんですが、こども本人も「頭がよくなりたい」といった気持ちをもっているものです。そして科学が進歩したいま、何をすれば頭がよくなるのか、はっきりしてきま した。
そんな脳の発達のルールを、自分で読んで実践できるように、イラストたっぷりで子ども本人に直接伝える、小学生向けの児童書『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える こども の頭がよくなるルールブック』ができました。
著者の瀧靖之教授(東北大学加齢医学研究)によると、脳は、なにかいいことを行えばほかの能力も関連して上がる性質があるので、全部でなくても、気になることから行うことで、「頭がよくなってきた!」と実感できるとか。その方法を知っているのと知らないのとでは、その差は将来どんどん開いていきますので、小さいうちから「常識」としてこどもに知らせておくことは、たいへんおすすめです。
東北大学で16万人という膨大な数の脳画像を見てきた脳医学者であり、さまざまな研究から脳の発達のメカニズムを知り尽くし、また、自身も小学生の子どもをもつ親として、育児にも日々熱心に取り組んでいる瀧教授に、その極意を聞いていきます。

子どもがやりたいことがあったら、まずやらせる!

「一度始めたことは最後まで続けなさい」

「簡単にやめてはだめ」

 習い事をやめたいという子どもに、こんなふうに言うことは、よくありますよね。
とくに、ご自身が厳しい練習に耐えてきたスポーツ経験者だったりすると、弱音を吐く子どもを叱咤激励して続けさせたくなるものかもしれません。

 ただし、とくに子どもが幼いうちは、この戦略には弊害があります。

 というのは、「やめさせてもらえない」と思うと、子どもは「気軽に始めることができない」からです。

「三日坊主」という言葉は、「やってはやめ、やってはやめで何もモノにならない」というネガティブな意味で使われる言葉ですが、子どものうちは、むしろ「いろいろなことに興味がある」と、ポジティブにとらえ、「三日坊主」、いえ「一日坊主」「半日坊主」でもいいので、なんでもやらせて経験の間口を広げてあげたほうが、将来によい影響があります。

 これがなぜいいのかというと、ほんのちょっとでも興味を持って「やる」ということと、まったく「やらない」ということの「0か1か」の差は、とてつもなく大きいからです。

 たとえすぐにやめてしまったとしても、あるときに少しでも触れておくと、次にまた触れるときは「すでに経験がある」状態になり、そのことに対するハードルが格段に下がります。いわゆる「ファミラリティ(親しみやすさ)」が上がった状態になるのです。