近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのか?
実は、付属校の入試問題は、「御三家」を頂点とする進学校のような難問があまり出ないので、大手塾で落ちこぼれたり、偏差値が20足りない子でも、付属校に“特化した”勉強をすれば、「逆転合格」できる可能性は高いのです。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、知られざる付属校受験の実態や、合格のためのノウハウの一部をお伝えします。

早慶の「大学付属校」<br />は「普通の子」でも<br />合格しやすい理由Photo: Adobe Stock

 私は「普通の子でも、早稲田や慶應などの大学付属校なら合格できる!」と常々伝えています。それは前項でお伝えした出題傾向のためです。付属校の出題には、超難問や初めて見るようなタイプの問題はあまり出題されません。もちろん難しい問題がないというわけではないのですが、難関進学校とは難しさのレベルと、出題の頻度が違います。

 ですから付属校の合格は、難問に正解するよりも、基本問題をいかに正確に、取りこぼさずにとれるかにかかっているのです。

 早慶は「普通の子」でも合格できると言えるのは、早慶中学を筆頭とする付属校の出題は、普通の子でも十分に解答できるレベルの問題だからです。だからといって、勉強をしなくていいというのではありません。しっかり努力を重ねることで、合格を引き寄せることができるのが付属校なのです。「努力が実りやすい学校」と言い換えてもいいでしょう。効果的な努力と学習を積み重ねれば、普通の子が合格できます。

「御三家」は早熟な子でないと受からない

 一方、御三家を中心とする難関進学校は、早熟な子でないと合格できません。論理的にものを考えることができ、初見の問題にもこれまでに習った知識を複合的に使って解答できる、そんな力が求められているからです。