運用&家計#8Photo:Adobe Stock

新型コロナウイルスのまん延で注目度が高まる民間の保険だが、過度に保険に加入すれば家計を圧迫しかねない。家計とのバランスを取りながら、適切な保険選びを行うにはどうすればよいのか? 『収入激減時代の「運用&家計」徹底見直し術』(全9回)の#8では、その「二大ポイント」を伝授する。

「週刊ダイヤモンド」2020年5月23日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

「新型コロナ入院」に対しても
給付金は基本的に支払われる

「新型コロナウイルスに感染して入院した場合でも、給付金は支払われるのでしょうか……」

 新型コロナウイルスの感染が拡大するのに伴い、民間の医療保険などの契約者からこうした質問が相次いでいる。

 答えは、基本的に支払われることになっている、だ。それどころか、緊急事態宣言が発令された4月以降、新型コロナ感染者が医療機関に入院できず、医師の指示の下ホテルや自宅で療養しても、入院給付金の支払い対象になることになった。いわゆる「みなし入院」と呼ばれるものだ。

 さらに新型コロナが原因で死亡した場合には、死亡保険金が最大で2倍になる「災害割増特約」の対象にもなっている。

 これは本来、不慮の事故や死亡と同等の高度障害となった場合に支払われる特約で、新型コロナは対象外だったが金融当局による暗黙の要請もあって、急きょ保険金の支払い対象になったのだ。

 加えて、解約返戻金がたまるタイプの保険商品である終身保険や養老保険、学資保険、個人年金保険などに加入していれば、解約返戻金の一定割合まで金利0%で即座に貸し付けを受けることができる。

 本来、契約者貸付の金利は一般に3~6%あたりだが、新型コロナへの経済的な対応策として多くの保険会社が金利0%で貸し付けを行っている。資金繰りや家計が厳しい人は活用すべきだろう。

 もっとも、新型コロナは指定感染症に定められたため、感染して入院した場合の治療費は国が負担してくれる。そのため、民間の保険に慌てて入る必要はない。

 では、適切な保険の選び方を見ていこう。