コロナショックのアパレル業界コロナショックで休業を余儀なくされ、危機に瀕しているアパレル業界。破綻リスクを見分けるためには3つのポイントがあると小島健輔氏は指摘する(写真はイメージです) Photo:sefa ozel/gettyimages

名門レナウンが破綻するなどコロナショックで危機に瀕しているアパレル業界。倒産ドミノも危惧される中、危ない企業を見分けるポイントは何か。ファッションビジネスコンサルタントで業界を熟知している小島ファッションマーケティングの小島健輔代表に解説してもらった。

4~5月に厳しさ増したアパレル業界
コロナクライシスで経営体質が露呈する

『アパレル24社「余命」ランキング』と銘打った記事をダイヤモンド・オンラインが掲載した。3月時点の損失ペースから破綻リスクをランキングした記事だが、それから2カ月を経た5月末段階の状況は一段と深刻化し、「余命」はさらに3カ月ほど縮んだはずだ。

 3月末時点のアパレル各社の売り上げ減少率は、前年同月比20~40%台だったのに対し、4月は休業店舗が広がって減少率が50~80%強と落ち込みが倍増した。地方から営業が再開した5月も20~50%台の減少と、3月よりも厳しかったからだ。

 休業による売り上げの落ち込みが大きいほど、休業が長引くほど、手元の現預金が少ないほど、企業は危ないことになる。だが、売り上げの減少が現預金を食いつぶして即、破綻につながるわけではない。自己資本の蓄積や収益力の評価で借り入れが可能だと現実にはかなり延命できるし、取引先を泣かす狼藉(ろうぜき)を働けば、さらに延命できる。

 そんなわけで「余命」何カ月とまでは断定できないものの、どんな経営体質ならば破綻リスクが高くなるかは明白だ。コロナクライシスに直面して、どこがどれだけ危なっかしい経営をしてきたか露呈することになる。そのリスク体質とは、以下の3点がポイントになる。