山中城跡公園は、静岡県三島市にある史跡公園です。山中城は戦国時代末期の永禄年間(1560年代)に小田原城を守る城として後北条氏が築城しました。石を使わない土だけで築城されためずらしい山城で、たいへん頑強な城と言われていましたが、天正18年(1590年)豊臣秀吉、秀次軍による総攻撃にわずか半日で落城したと伝えられています。箱根の山中、標高約580mの国道脇に残る城跡で昭和9年(1934年)国の史跡として指定され、平成18年(2006年)には「日本百名城」にも選定されました。

 現在は広大な緑の史跡公園となっていますが、城跡として貴重な遺構である堀や土塁などは、風化を避けるため盛土による被履の上芝を張って保護されています。特に新緑の時期には特徴的な堀である「障子堀」「畝堀」などの緑がみずみずしく、その陰影が作り出すコントラストは芸術的な美しさです。富士山や駿河湾を一望でき、春はツツジ、夏はアジサイやスイレンなど季節の花を楽しむこともできます。

※撮影は2019年7月末

(撮影・文/クレセントエルデザイン)