2045年の日本社会の変化を「ダイバーシティ」の観点から考える

働き方改革とともに、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)が進む日本社会の動向を、前稿「LGBT・障がい者・外国人・要介護者……多様な人が多様に暮らす社会の現在形」でまとめたが、それでは、いまから四半世紀後=2045年の社会はどうなっているのだろう? 今回は、テクノロジーの進化がもたらす変化ではなく、あらゆる人が暮らし働く“ダイバーシティ社会”の観点から考えてみよう。(ダイヤモンド・セレクト「オリイジン」編集部)
『インクルージョン&ダイバーシティマガジン「Oriijin(オリイジン)』2019年3月発売号「オリイジン2019」の掲載原稿を加筆修正

人口減少と高齢者の増加が日本の社会を変えていく

 2020年以降、日本社会が直面する最大の変化は、人口の急速な減少だ。2015年の国勢調査に基づく将来人口推計(国立社会保障・人口問題研究所)では、2045年の総人口はおよそ1億642万人となり、2015年比で2067万4000人減る(▲16.3%)。

 都道府県別では、秋田県▲41.2%、青森県▲37.0%、山形県▲31.6%のほか、高知県、福島県も30%以上の減少が見込まれている。

 人口減少と並ぶ重要な変化は、高齢者の割合が増加することだろう。2045年の高齢化率(65歳以上人口の割合)は36.8%となり、2015年より12.2ポイント増える。すべての都道府県で30%を超え、19の道県では40%を超える。東京都は30.7%と割合は最も低いが、人数でみれば100万人以上増え、地域社会に与えるインパクトはむしろ地方より大きいだろう。

 人口全体における高齢者の割合が高まることの影響はさまざまな面におよび、社会の多様化がいま以上に進むのではないだろうか。そもそも、人は、若い時ほど周囲の影響を受けやすく、それが集団的な流行を生む。しかし、年齢とともに経験を重ね、それぞれの個性や価値観が固まっていく。また、年齢とともに経済力や家族関係、健康状態などの違いも大きくなる。