FRBと日本銀行の政策金利引き下げによって、ドルと円の銀行間無担保オーバーナイト金利は、共に0.1%前後で推移している。短期金利差はなくなっている。

 バーナンキFRB議長は、長期金利を押し下げることを目的に、国債を大規模に購入する可能性があると示唆している。この姿勢に影響されて、12月の米国債はバブル的な価格上昇(金利は低下)を見せた。当面は長期金利においても日米金利差が縮小していく可能性がある。円高ドル安が進みやすい情勢が続きそうである。

 日本政府がいつ円売りドル買い介入を行なうか注目されるが、気になるのは過去の介入の「負の遺産」として、FB(政府短期証券)の発行額が膨大に積み上がっている点だ。11月末のFB総発行残高は107兆円である。

 従来は特別会計の準備金などがFBを購入することで、FBの市中公募額を極力抑制する資金繰りが行なわれていた。しかし、政府は「埋蔵金」を使って景気対策を行なっていく方針だ。

 FB市中公募額は増加していくだろう。そこへ円売りドル買い介入が実施されたら、FB市中公募額はさらに増大することになる。介入は効果的なタイミングを狙って行なっていく必要がある。