ジョー・バイデン氏Photo:Mark Makela/gettyimages

――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJのチーフコメンテーター

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 この夏の大騒ぎから1歩下がって――1歩といわず何歩も下がって――疑う余地がない事柄に注目してみよう。米国と世界が今後何年にもわたって直面し続ける最も重要な問題は、地球上で最も強大な2カ国である中国と米国の関係が急速に悪化していることだ。

 新型コロナウイルス、ジョージ・フロイドさん殺害事件、ポートランドでの衝突、恐慌並みの景気悪化、大統領選挙の延期に言及する現職大統領といった数々の問題がなければ、米国は今後何十年にもわたる新たな冷戦に向かっているのかという問題が、選挙シーズンの話題の中心になっていたはずだ。しかし、実際には脚注のように扱われている。

 中国にもっと関心を向けなければならない。少なくともドナルド・トランプ米大統領がこの2国間関係をどう扱っているかについては、大統領としての行動を見れば、また選挙活動で中国を悪者扱いする度合いが増していることを見れば、有権者は分かるし各自が結論を出すことができる。