3日で絶対#マイクロコピーその1Photo:SOPA Images/gettyimages

「マイクロコピー」とは、「非常に細かい箇所に使われるコピー」のことだ。多くの人がスマホを活用するようになった現代において、幾つもの有名企業が取り入れるなど、マイクロコピーの重要性に注目が集まっている。特集特集『夏だ!スキルだ!3日で絶対!習得シリーズ 2020』の「売れる秘訣はたったの2文字!マイクロコピー入門」(全3回)1日目は、スマホ時代の文章術やマイクロコピーの基本を、国内におけるマイクロコピーの第一人者がわかりやすく解説する。

筆者:山本琢磨 (やまもと・たくま)
オレコン代表取締役。1978年生まれ、京都府出身。
デジタルマーケター、グロースハッカー。これまでにWebデザイン、マイクロコピー、トラストフォーマットなど、WebページのA/Bテストやデータ分析に裏付けられた改善方法で、2044社以上の企業にコンサルティングを実施している。著書に『Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー』(秀和システム)など。

スマホ時代の文章は
「簡潔さ」が求められる

「マイクロコピー」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

 マイクロコピーとは、ボタンの文字や入力フォーム周り、エラーメッセージ、写真のキャプションなど、その名の通り、「非常に細かい箇所に使われるコピー」のことである。

 例えば、教材会社のWebサイト上にある「資料をダウンロードする」というボタンの文字。通販サイトの購入ボタンの周囲に記載されている「5000円以上で送料無料」という文字。入力フォームを埋めているときに表示される「あと5項目で完了です」といった文字。これらは全てマイクロコピーの範疇だ。

 こうした細かな部分の文章は、コピーライティングの教材やキャッチコピーの専門家がこれまでまったく相手にしてこなかった領域である。しかし多くの人がスマホを活用するようになった現代において、長いキャッチコピーは「ドアののぞき穴越しに新聞を読む」ようなもの。Webやアプリの文章はこれまで以上に「簡潔さ」が求められるようになっている。

 利用者の心を捉える体験を提供したりデザインしたりすることを「UX(User Experience)デザイン」と呼ぶが、近年、Webやサービス内で利用者の心を捉える文章を考える「UXライティング」が注目を浴びている。GoogleやSpotifyなどがUXライターを積極的に募集していることからもそのことがうかがえる。このUXライティングで非常に重要視されているのが、今回の講義のテーマの「マイクロコピー」である。

 もちろん、従来のコピーライティングやキャッチコピーのスキルは非常に大切だし、あるに越したことはない。しかし私たち全員が、そのための感性や技術を持ち合わせているかといえばそうではない。

 しかしマイクロコピーは、そのノウハウさえ学んでおけば、誰もが活用することができる。集客が増え、売り上げが伸び、ポジティブな問い合わせが集まり、申し込みが殺到する……。何度トライしても時間だけが無情に過ぎ、広告費を垂れ流すという状況に終止符を打てるはずだ。マイクロコピーの活用方法を知っていれば、ビジネスの危機を難なく乗り切ることができる。

 信じられない?ではひとつクイズを出してみよう。

マイクロコピーの活用で
劇的に成約率がアップする

 下の2つのボタンは、ある医療関係者向けのサービスを提供している企業のWebサイト内に設置されているボタンである。一見、同じように思えるが、どちらのボタンの方が、多くの人にクリックされただろうか?

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