ナデラ マイクロソフトCEOPhoto:Bloomberg/gettyimages

 買収・合併合意が簡単であることはめったにない。しかし、マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は現在、双方の企業とその株主だけではなく、技術力を巡り、激しい競争を展開している米中両政府をも満足させる合意を目指している。

 中国の人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を親会社である北京字節跳動科技(バイトダンス)から買収することに成功すれば、マイクロソフトは経営面で大きな恩恵を受ける可能性がある。若者を中心とした1億人のユーザーを獲得できれば、マイクロソフトは消費者向け事業を強化できる。しかしTikTokの買収を目指したことで、ソフトウエア分野の巨大企業であるマイクロソフトは、米中間の激しい対立の渦中に立つことになった。