思わず誰かに話したくなる鉄道なるほど雑学Photo:PIXTA

鉄道アナリスト・川島令三氏の新刊書『思わず誰かに話したくなる鉄道なるほど雑学』の中から、鉄道に関するディープなウンチクをご紹介。今回は、地下鉄と郊外路線の間などでよく行われている「直通運転」「相互乗り入れ」についての、意外と知らない雑学知識をお教えします。

「相互乗り入れ」「片乗り入れ」
直通運転にもいろいろある

 2つ以上の異なる鉄道会社の路線同士が、相互に車両を融通して直通運転をすることを「相互直通運転」、あるいは「相互乗り入れ」という。多くは地下鉄と郊外路線との相互乗り入れである。これに対して片方の会社の車両が一方的に乗り入れをするのは「片乗り入れ」という。小田急「ロマンスカー」が箱根登山鉄道の箱根湯本駅まで乗り入れているのがそうである。

 通常の相互直通は2社間か3社間で行われているが、東京都交通局の都営浅草線では京急、京成のほかに北総鉄道、芝山鉄道の4社との間で行われている。

 なお、京成高砂―小室間は北総鉄道が自前で建設して運営しているが、小室―印旛日本医大間は千葉ニュータウン鉄道が保有して北総鉄道に線路を使用させている。さらに京成もこの線路を使用して「スカイライナー」を走らせている。

 京成は、北総鉄道の京成高砂―小室間のほか、印旛日本医大―成田空港間を保有している「成田高速鉄道アクセス」と「成田空港高速鉄道」の線路も使用して「スカイライナー」や「アクセス特急」を走らせている。

 これらの線路に走っている列車は直通運転とはいわない。運営している、つまり運賃を徴収して電車を走らせているのは京成であり北総であるから、表向きは京成と北総鉄道の路線だからである。

 同様のことが白金高輪―目黒間でもいえる。同区間を保有しているのは東京メトロだが、東京都交通局も線路を使用して運営しているので都営三田線の線路でもある。

 相互直通しているのは都営三田線・東京メトロ南北線の2社局と東急目黒線との間であり、南北線は反対側の赤羽岩淵から先の埼玉高速鉄道とも相互直通を行っている。