2010年の株式市場は波乱の幕開けとなったが、その背景は中国の銀行貸し出し抑制やオバマ大統領の金融規制案などいずれも政策面の動きだ。今回はこうした政策リスクについて述べてみたい。

 政策リスクには3通りある。1番目は金融緩和策の転換だ。市場参加者は米国などの利上げ時期について一喜一憂しているが、それ以上に注目されるのが新興国だ。

 最近中国が預金準備率を、インドが現金準備率をそれぞれ引き上げたが、理由はインフレ圧力だ。中国の12月消費者物価指数は前年同月比1.9%上昇と前月の0.6%から加速、またインドの12月卸売物価指数は同7.3%の大幅上昇となった。インフレへの懸念が今回の動きの背後にある。

 その他、ブラジルやインドネシアでも早期利上げの可能性が指摘されているが、新興国については先進国以上に前倒しの出口戦略を警戒する必要があろう。

 2番目は各種の投機抑制策だが2つある。1つは東アジア諸国に多い不動産投機抑制策だ。中国、香港、韓国などでは住宅価格の高騰が問題となっており、融資の規制などを通じて各国の監督当局は沈静化を図っている。