テスト前なのに勉強もせずゴロゴロして、スマートフォンをいじっている子どもを見ると、ついイライラしてしまうものです。そして、つい言ってしまいます。
「勉強しなさい!!」
しかし、子どもは親に勉強しなさいと言われるほど、勉強したくなくなる生き物です。「うるさいなあ」と言いながらも机に向かってくれればいいほう。「今やろうと思っていたのに!」と怒りだし、かえって勉強が手につかなくなり、フテ寝してしまう子もいるでしょう。
そんなご家庭に紹介したいのが、『朝15分学習法』です。やり方は、とっても簡単。子どもが朝起きたらすぐに食卓に座らせて、たった15分、学習させるだけ。
用意するのは、消しゴム2個と鉛筆2本でOKです。
これだけで、子どもに学習する習慣がつき、小学校、中学校、高校、大学にあがっても、自ら勉強する子どもに育ちます。親御さんの望む、子どもの学習習慣が手に入れられるのです!
本連載では、延べ6万5000人以上の子どもたちを指導してきた著者が、0歳から大学生までの学習実例をもとに、正しい学習姿勢のポイントをはじめ、お風呂での学習法や、塗り絵を学習に生かすコツなど、子どもの年齢に合わせた学習法を紹介していきます。

朝学習が習慣化すれば、<br />中高生になっても夜更かししなくなる<br />Photo: Adobe Stock

夜の時間に勉強を盛り込みすぎるのは効率的ではない

 子どものころに朝学習が習慣化すると、中学生、高校生になっても夜更かしをせず、自ら早起きをして必要な勉強時間を確保するようになります。

●毎朝15分を「英単語を勉強する時間」にして、現役で東大理Ⅱに合格した華さんの場合

 華さんは小学生のころから朝学習を行い、それがしっかり習慣化されていたので、中学・高校の中間テスト、期末テストの前でも、受験勉強のときでも、夜更かしをしませんでした。

 特に数学のテストの前日は、遅くとも22時までには就寝し、早起きして勉強。朝勉強するほうが効率的だと知っているし、睡眠不足だとケアレスミスをすることもわかっているからだそうです。高校3年生のときは、毎朝15分を「英単語を勉強する時間」に置き、例文とともに覚えていました。

 華さんは小学生のときに「漢字検定」に挑戦していますが、その勉強をするとき、勉強机の上に問題集を広げ、置きっぱなしにするようにしていました。机の横を通るたびに、立ったまま何問か覚えるためです。

 朝学習を継続していると、子どもは子どもなりに生活の時間配分を工夫するようになります。漢字検定の勉強などイレギュラーな学習が加わり、いつもよりやることが増えると、華さんのようにすきま時間をうまく活用するようになります。夜の時間に勉強を盛り込みすぎるのは効率的ではなく、当てにできないとわかっているからです。