「頭がいい子」がやっている、たった1つの勉強のコツPhoto:Adobe Stock

新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

1つのコツ「間隔をあけて復習する」

 ワシントン大学の心理学者、ヘンリー・ローディガー教授は、一気に詰め込む勉強を習慣にしていると、次の学期に成績がガタ落ちする可能性があるといいます。

 いわゆる「一夜漬け」は、切羽詰まった状況にはそれなりに効き目があるものの、そうして覚えた知識は、長く記憶にとどまってくれません。

 覚える量は同じでも、勉強時間を分散したほうが、知識が脳にとどまる時間がはるかに長くなります。

 では、学んだことをより長く記憶にとどめておくには、どのタイミングでもう一度触れるのが最適なのでしょうか。

 2008年、ヨーク大学(カナダ)の心理学者メロディ・ワイズハートは、カリフォルニア大学の心理学者ハロルド・パシュラーとともに、幅広い年齢層の1354人を対象にした大がかりな実験を行ないました。

 その結果、以下のように試験までの期間に応じて、復習の間隔を変えたほうがよいことがわかりました(ベネディクト・キャリー『脳が認める勉強法』)

「復習までの間隔」は次第に広げる

 仮に試験が1週間後で、それまでに「90分」の時間を使えるとするなら、今日90分勉強するよりも、今日30分勉強し、2回目は翌日(もしくは明後日)に30分、試験前日に30分、同じことを勉強したほうが、その記憶はしっかりと頭に残ります。

 試験が1ヵ月後の場合、今日勉強して、復習は1週間後にやり、3回目の勉強は試験前日にやるのが最適だということがわかりました。

 また、目先の試験とは関係なく、長く知識を定着させたいのであれば、ポーランドの研究者ピョートル・ウォズニアックの研究が参考になります。

 ウォズニアックは、今日勉強したなら、1~2日後に復習し、その次は1週間後、その次は1ヵ月後(その次はさらに先)という形で、次第に間隔をあけて復習することが、記憶を強力に脳に刻むのに効果的だと示しています。

 脳医学の分野でも、東京都医学総合研究所が2018年にアメリカの科学雑誌『セル・リポーツ』に掲載した研究結果で「間隔をあけて反復学習を行なうと記憶が長い期間、定着する」という脳内の働きが明らかにされています。

間隔をあけた学習は「暗記」に効果的

 間隔をあけた学習は、覚えたことを記憶にとどめるための効果的なやり方です。

 多くのことを長く覚えていられると理解力も深まるため、この方法は理系科目でも研究が進められています。ただし、いまのところはっきりしているのは、語学や用語、知識の暗記に適しているということのようです。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を抜粋・編集したものです)

参考文献

ベネディクト・キャリー『脳が認める勉強法』(花塚恵訳、ダイヤモンド社)
ピーター・ブラウン、ヘンリー・ローディガー、マーク・マクダニエル『使える脳の鍛え方』(依田卓巳訳、NTT 出版)
「反復学習が記憶を蓄える神経細胞集団を形成するメカニズムを解明」(公益財団法人東京都医学総合研究所福祉保健局、報道発表資料、2018年12月4日)