「一見それほどでもない症状でも、実は放っておくとこわい症状も少なくないのです。最初は気にもとめないわずかな症状が、放っておくと、取り返しがつかない大病になることもあります」。そう話すのは、テレビでも人気の総合内科専門医・秋津壽男氏だ。体からのSOSサインに気づかず、後悔することになってしまった方をこれまでたくさん見てきたという。秋津医師の新刊『放っておくとこわい症状大全~早期発見しないと後悔する病気のサインだけ集めました』は、まさにこうした病気で後悔する人を少しでも減らしたいという想いから生まれたものだ。9月16日に発売となった本書の内容を抜粋するかたちで、日々の健康チェックに役立つ情報を紹介していく。

健診で尿酸値を指摘された人が知っておきたい「痛風」を引き起こす食べ物Photo: Adobe Stock

尿酸値が9を超えたら「卵」や「内臓」に気を付ける

 前回の記事では、痛風の兆候についてお伝えしました。今回は、痛風の予防についてお伝えしていきましょう。

 痛風を防ぎたかったら、最初の発作が起きる前が勝負です。健診で尿酸値が高いといわれたら、ぜひ薬を飲んでください。尿酸の正常値は7以下ですが、9を超えるといつ発作が起きてもおかしくない状態です。今は効果絶大な薬も出ているので、発作の手前で尿酸の蓄積を止めることが大事です。

 また、尿酸値を上げてしまう食生活も見直しましょう。尿酸は遺伝子の材料であるプリン体からできるので、遺伝子の多い食べ物のとりすぎには要注意です。

 とくに遺伝子が多い食べ物は「卵」です。卵ひとつには遺伝子がワンセット入っています。イクラや明太子であれば1粒1粒にワンセットずつ遺伝子が入っていますし、さらに粒が細かい白子の場合はなおさらです。また、レバーなどの内臓にも遺伝子が詰まっています。

 尿酸値が気になりだしたら、これらの食べ物は極力避け、遺伝子のかすがたまらないよう気をつけましょう。

(本原稿は、秋津壽男著『放っておくとこわい症状大全』からの抜粋です)

秋津壽男(あきつ・としお)

秋津医院院長
1954年和歌山県生まれ。1977年大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をし、和歌山県立医科大学医学部に入学。1986年に同大学を卒業後、循環器内科に入局。心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1998年に東京都品川区戸越銀座に秋津医院を開業。下町の一次医療を担う総合内科専門医として絶大な支持を集める。現在、「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系列)にレギュラー出演中。ベストセラーとなった『長生きするのはどっち?』『がんにならないのはどっち?』シリーズ(あさ出版)ほか、著書多数。新刊『放っておくとこわい症状大全』(ダイヤモンド社)が2020年9月16日に発売。