失業日本では新型コロナの死者数は他国と比べて緩やかだが、今後懸念されるのは経済を起因とした死亡者の増加だ(写真はイメ―ジです) Photo:PIXTA

感染増が死者の増加につながらず
豪州では冬場の死者増加ペースが鈍化

 日本では、新型コロナウイルスの新規感染者数が7月以降に再度加速したが、重症者数は現在でも少なく、死者の増加も他国に比べても緩やかだ。また、感染者数の拡大が死者の増加につながらないのは日本に限ったことではなく、最近の先進国では共通した傾向となっている。

 たとえば欧州をみると、フランス、スペイン、英国などでは、1日当たりの新規感染者数が足もとで3月のピーク時を上回っているが、死者は6月以降ほとんど増加していない(図表1参照)。

 一般にウイルスへの罹患は低温状況で増えるため、今後冬場にかけて感染が再拡大する可能性も指摘されている。ただ、8月が厳冬期となる南半球に位置するオーストラリアでは、7月下旬から感染者や死者の増加ペースがともに加速したものの、それは一時的な現象で、直近では感染者数の増加がほぼ止まり、死者の増加ペースも大きく鈍化している。

 オーストラリアを例にとれば、日本を含めた他の先進国でも、新型コロナウイルスによる被害が深刻なものにならず、冬場を乗り切ることも期待できる。