ゼネコンの呪縛#16Photo by Masato Kato

都心を中心とした大型再開発は踊り場を迎え、大手ゼネコンが準大手や中堅の仕事を奪いにくる中、準大手である五洋建設の清水琢三社長はこの競争に加わらず、海洋土木(マリコン)大手としての強みを発揮できる大型土木工事に期待している。特集『ゼネコンの呪縛』(全20回)の#16では、清水社長が目玉の公共工事から建築の動向、新たに取り組む洋上風力発電までを語る。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

高速4車線化の工事も
狙いたい

――今年度は防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策の最終年度です。国内の土木事業の今後の見通しは?

 当社が得意とする海洋土木関係では、横浜の新本牧の埋め立て工事を受注、すでに着工しています。北九州の新門司沖土砂処分場の工事は発注されることが見えている。

 そのほかに、予算が付けば高速道路の4車線化の工事があります。高速道路はもともと老朽化対策で床版の取り換えや橋脚の耐震補強の必要があるところに、4車線化が加わる形。今までは専業の業者が多かったが、これはかなり需要があるとのことで、われわれも維持補修工事に手を出しつつ、新規もしっかり狙います。

 こういうことを考えると、この先3年間はわれわれが取り組める案件は減らないと考えています。

――受注を狙う、目玉となる公共工事は?