民主党代表選はいよいよあす投票を迎える。

 下馬評では野田佳彦代表(首相)の再選は確実だとされている。

 だが、果たして本当にそれでいいのだろうか。仮に民主党の国会議員と地方議員、さらに党員とサポーターが野田代表を再選させることになったら、筆者は残念ながら一つの哀しい結論を下すことになるだろう。

 1996年の旧民主党結党時、筆者は鳩山邦夫副代表(当時)の秘書であった。

 その年の1月末、長らく口も利かなかった鳩山兄弟(由紀夫と邦夫)が、四谷の料理屋『城山』で軽井沢の鳩山別荘の土地の分筆のために渋々の和解に至る。

 物語はそこから急展開する。

 4月初めにはさきがけの代表幹事だった鳩山由紀夫衆議院議員と新進党の船田元衆議院議員という当時、もっとも人気のあった二人の政治家が新党結成で仮合意を行う。

 5月のゴールデンウィークには、そこに橋本内閣の閣僚である菅直人厚生大臣(当時)と鳩山邦夫・新進党東京都連会長が加わり、軽井沢の鳩山別荘の極秘会合で新党結成合意に至った。

 さらに夏までには、主に与党から50人規模の国会議員が参集を約束、秋の総選挙では社会党書記長だった赤松広隆氏を含む、衆議院議員52人の当選を果たし、一気に比較第三党に躍り出たのだ。

 さらに1998年に入ると、今度は細川護煕元首相と鹿野道彦新党みらい代表のもと、毎週のように国立国会図書館で8党(一会派)による新党準備委員会が開催され、結果、拡大民主党の結成に至った。

 野田首相も、原口一博元総務大臣もその時に新党に合流している。