発達障害のひとつであるADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さん。早稲田大学卒業後、大手金融機関に勤務するものの仕事がまったくできずに退職。その後、“一発逆転”を狙って起業するも失敗して多額の借金を抱え、1ヵ月家から出られない「うつの底」に沈んだ経験をもっています。
近著『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』では、借金玉さんが幾多の失敗から手に入れた「食っていくための生活術」が紹介されています。
働かなくても生活することはできますが、生活せずに働くことはできません。仕事第一の人にとって見逃されがちですが、生活術は、仕事をするうえでのとても重要な「土台」なのです。
この連載では、本書から「在宅ワーク」「休息法」「お金の使い方」「食事」「うつとの向き合い方」まで「ラクになった!」「自分の悩みが解像度高く言語化された!」と話題のライフハックと、その背景にある思想に迫ります。
今回は、大盛況に終わったオンラインイベント「発達障害なんでも人生相談」で寄せられた読者の質問と、借金玉さんの回答をお伝えします。

発達障害の僕が発見した「事務作業が苦手な人」が見落としている重要なポイントPhoto: Adobe Stock

<相談>
 フォーマットの中身を理解して埋めていくだけの作業がどうしても苦手です。事務作業を人並み水準に押し上げるハックがあれば教えてください。

 また、家で仕事するのが苦手すぎて取り掛かるのが億劫になるのですが、自分に痛みを与える以外で、自分を作業に向かわせる方法があれば教えていただきたい。

まずは「作業スペース」を確保しよう

<答え>
 事務作業が苦手……僕もそうなのでわかります。

 第一に解決した方がいいのが、「スタートコスト」の問題。「さぁ事務作業を始めるぞ」っていう地点に立つまでに、知らず知らずすごくたくさんの作業をしなきゃ状態になっている。具体的には、「机の上に作業をするスペースがちゃんとあるか」をチェックしたほうがいいですね。

 例えば、机の上がゴチャゴチャで、しかも直前まで飲んでいたコーヒーが残っていて、書類を汚す恐れがあるような状態では、もう書類作業はできないですよね。質問者さんが「家ではできない」っていうのは、もしかしたらそういうことを指しているのかもしれません。

 第二の対策は、「マルチタスク」でパニックを起こさないこと。これには僕の本で書いた「ホワイトボードになんでもかんでもメモをする」ハックがおすすめです。ホワイトボードのいいところは、デカいので、絶対になくさないこと。要は、最強のメモ帳なんです。

 自宅だけではなくて、もちろん会社での作業の場合もホワイトボードは有効です。僕も「自分専用ホワイトボード」を作って、勝手にオフィスの壁にかけていました。

 最後に! いくら事務作業に集中するためとはいえ「自分に痛みを与える」のは絶対ダメですよ! 僕も最近は原稿が書けなくて、ウイスキー瓶で額を殴るライフハックを実行したら、すごい血が出て反省しました……。やっていきましょう……。

★著者インタビュー「だから、この本。」
第1回 発達障害の僕が「毎日怒られていた子ども時代の自分」に絶対伝えたい2つのこと 
第2回 発達障害の僕が発見した「学校に適応できず破滅する子」と「勉強で大逆転する子」の決定的な差
第3回 発達障害の僕が失敗から見つけた「向いている職業」「避けるべき職業」
第4回 発達障害の僕が伝えたい「意識高い系」の人が人生から転落する危うさ