今年のドラフト指名は123人
名門校から無名校までさまざま

 10月26日、今年のプロ野球ドラフト会議が開催された。今年はセンバツ高校野球が中止となったのを皮切りに、アマ野球の大きな大会がほとんど中止となったことから、選手としてはアピールの場がなく、プロの側も最終確認をする機会が乏しかった。そのせいか、高校生216人、大学生158人の計374人という、過去最多を一挙に124人も更新する空前のプロ志望届が提出された。

 今年指名されたのは本指名74人、育成指名49人の合わせて123人で、育成指名の49人は史上最多。その出身校は多彩で、横浜高や大阪桐蔭高のように誰でも知っている名門校から、苫小牧中央高(北海道)や精華高(大阪府)のようにプロ入りすれば開校以来初という無名校までさまざまで、通信制の高校も含まれている。

 意外なのは佐久長聖高(長野県)で、春夏合わせて9回も甲子園に出場しているもののプロになった選手はまだおらず、元山飛優(東北福祉大、ヤクルト4巡目)が入団すれば同校初のプロ入りとなる。

 本稿では、ドラフト指名という枠を取り払って、1936年のプロ野球誕生以来、最も多くの選手をプロ球界に送り込んだ学校を見てみたい。

 最初にお断りしておきたいのが、日本のプロ野球界には公式戦に出場した全選手の名簿はあるが、在籍した全選手の名簿は存在しないということだ。そのため、ここで集計されているのは筆者が独自に調査したものであり、まだ一部に未集計の選手が残っている可能性がある。

 また、名門・古豪といわれる歴史の古い学校には、途中で分離や合併などさまざまな変遷を辿った学校も多く、どの学校をもってどの学校の前身とするかという見解が分かれる学校もある。そのため、見解によって多少の誤差が生じることをご了承いただきたい。

今年も注目は大阪桐蔭高
すさまじいペースでプロ入り

 まずは、近年の注目校を紹介したい。

 今年も注目は、すさまじいペースでプロ入り人数を増やしている大阪桐蔭高だろう。同校は1983年に大阪産大高校大東校舎として創立された学校で、独立して大阪桐蔭高となったのは1988年。同年秋には、早くも今中慎二選手が中日にドラフト1巡目で指名されると、一昨年には1巡目2人を含め一挙に5人が指名されるなど、すでに40人がプロ入りしている。

 今年は仲三河優太が西武7巡目で指名され、いよいよベストテン入りが見えてきた。現在2年生の関戸康介も来年のドラフト注目選手であるほか、アマ球界には人材はまだまだ豊富で、まもなくベストテンに食い込んでくるのは確実である。

 その高校球界での立ち位置はかつてのPL学園高に近く、中田翔(日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)、森友哉(西武)、藤原恭大(ロッテ)と4人のドラフト1巡目指名選手が活躍中だ。

 それでは、第5位の学校から順に見ていこう。