「頭がよくなる」「運動神経がアップする」「認知症を予防できる」「集中力が高まる」「ストレスが減る」「記憶力が増す」など、人間の能力が飛躍的に向上する唯一無二のメソッド「ライフキネティック」。新しい動きを次々とすることで脳のネットワークを増やし、脳が活性化する手法だ。1日10分、1週間で60分でやればOK。「間違えることがいい」という驚異的な脳トレ『Life Kinetik® 脳が活性化する世界最先端の方法』が刊行! 今回は、脳に欠かせない「グルコース」「酸素」「水」のうち、「水」について触れます。1日3リットルの水を必要と聞いたことがある人もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか? 本書の一部を抜粋して紹介する。

【1日3リットルは間違い?】脳に欠かせない「水」の適切な摂取量は?Photo: Adobe Stock

脳の機能を良好に保つために必要なこと

 脳に不可欠なものは、もう1つありましたね。そうです、水です! 水は、あらゆる細胞間のやりとりに欠かせないものです。水によって、血液が体内を循環できるようになり、そのおかげで栄養を細胞に届けたり、代謝によって生じたゴミを体外に排出したりすることができるようになります。

 また、水は電解質のバランスを整えたり、体温を調節したりする役割も担っています。つまり、水は解毒(浄化)の作用を持ち、脳を含めた心身のあらゆる機能に影響を及ぼしているのです。

<研究報告>体液が減ると、脳細胞の活動性が高まる
ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボン心理学研究所(ドイツ、ボン)のウルリッヒ・エッティンガー教授は、体液が約1・5リットル失われて軽い脱水症になると、脳細胞の活動性が高まることを突きとめ、そのことを2011年にマシュー・ケンプトンらと連名で報告している。エッティンガー教授はこれについて、「体液が不足すると、脳は機能を正常に保とうとして活発に活動し始める。ただ、その場合、脳に負担がかかるため、簡単な課題を達成することはできても、より難しい課題を達成することは困難になるだろう」と述べている。

 ですから、脳の機能を良好に保つためには、十分な量の水分をとることが重要です。しかし、水分をあまりにも大量にとると、かえって注意力が低下します。ライフキネティックのエクササイズを用いた研究では、のどが渇いてコップ1杯の水を飲んだ被験者は、エクササイズをいつもよりうまくできましたが、のどが渇いていないけれども同量の水を飲むよう指示された被験者は、いつもより出来が悪かったのです。

 では、水分の適切な摂取量はどのくらいで、どのようなものを飲むのがもっともよいのでしょうか?

 ドイツの公的機関はどこも、「1日2・5リットルの水分をとるように」と勧めています。

 ただ、このうちの約1リットルは食べ物に含まれている水分とされています。

 ほかにも、「毎日、体重1キログラムにつき30~40ミリリットルの水分をとるのがよい」という意見もあり、それによると、体重が70キログラムである人は、1日2.1~2.8リットルの水分をとる必要があります。

 しかし、いずれにしても一度に大量の水分をとらないようにしてください。通常、体内に吸収される水分は1時間につき500~800ミリリットルであり、残りの水分は排せつされてしまうからです。ですから、一度にボトル1本の水を飲むよりも、一定時間ごとにグラス1杯の水を飲むほうがよいでしょう。

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