「weather=天気」「beef=牛肉」以外の意味を知っていますか?「beef」の牛肉以外の意味、知っていますか? Photo:PIXTA

weather, beef, dance……頻繁に耳にする英単語にも意外と知られていない意味があります。今回は、『日本人の9割がじつは知らない英単語100』から4つの単語をピックアップ。意外と知らない使い方を紹介します。

※ここでは米国英語を母国語とするネイティブスピーカーにとって使用例の“普通度”の目安(指標)を5段階でランク付け。「ランク5」なら子どもも含めてほとんどの米国人がすぐ認識できる意味、「ランク1」ならとても硬い文語表現か特定分野の専門家が使う用法というイメージです。

「weather」悪天候を“乗り越えろ”
ランク4 ★★★★☆

例文(1)
The startup had weathered 6 launch failures, and finally sent their rocket into space.

『その新興企業は、6 回の打ち上げ失敗を乗り越え、ついに自社ロケットを宇宙に送りこんだ。』

 weatherは「天気」です。動詞 weather には、「(困難・危機を無事に)切り抜ける」の意があります(ランク4)。weatherの航海用語としての使い方「嵐をしのぐ」が、比喩表現として一般に使われるようになったものです。

例文(2)
The Prime Minister was confident that she would be able to weather the storm and get re-elected.

(首相は、この難局を乗り越え、再選を勝ち取れると確信していた。)
例文(3)
I was worried my flower garden wouldn’t weather the storm but everything survived.

(花園が台風でやられてしまうのではと心配していたが、なんとすべて無事だった。)

(2)の weather the storm で、政治や企業経営での「難局を切り抜ける」を、危機の内容を具体的に示さずに表現することがよくあります(ランク4)。weather the storm (3)のように天気の嵐を指すこともありえますが、今や(2)の比喩表現の方がはるかに一般的です。

例文(4)
I won’t go into the office today. I feel a bit under the weather.

(今日は会社を休むよ。体調が少し良くないんだ。)
例文(5)
She turned out to be a fair-weather friend. I never saw her after losing my job.

(彼女が本当の友人でないことがよく分かったわ。私が職を失ってから一度も姿を見せないんだもの。)

(4)は、「体の具合が悪い」を表す under the weather です(ランク4)。悪天候で船酔いする、に由来します。(5)は、「好天の時の友人」が転じて、「いざという時に当てにできない友人」を表します。この語の反意語として rainy-day friend を掲載している辞書もありますが、ネイティブはあまり使いません。「いざという時に頼れる友人」は、単に a good friend または a friend through thick and thin で表します。through thick and thin は、「森の中で木々が密で(thick)歩きにくい時も、まばらで(thin)歩きやすい時も」から生じた「良い時も悪い時も」のランク4の表現です。