株価成長株を利食い、割安株へと本格的にシフトする「グレート・ローテーション」の環境は、本当に整ったのかPhoto:PIXTA

日経平均2万5000円台回復で
「割安株シフト」は本当か

 日経平均株価が29年ぶりに2万5000円台を回復した。2万4000円を当面の抵抗ラインと見ていた向きも多く、この節目を抜けてからの上昇ペースは速かった。米大統領選挙で大型財政政策を公約とするバイデン候補が優勢であること、米製薬大手のファイザーが開発中の新型コロナウイルスワクチンの有効性が報じられたことなどが、株高の原動力となった。

 世界経済が正常化に向かうとの期待は、米国を中心に長期金利の上昇要因となった。これが株式の業種間格差を是正する契機となり、日本においても出遅れていた陸・空運、不動産、銀行などの割安(バリュー)株が上昇する一方、これまで相場を牽引してきた情報通信関連などの成長(グロース)株が下落した。

 このため市場参加者からは、成長株から割安株への「グレート・ローテーション」説も聞かれ始めた。果たして成長株を利食い、割安株へと本格的にシフトする環境が整ったのか。以下では金利が成長株と割安株の価格形成に及ぼす影響を踏まえて、今後の展望を予想してみたい。