コロナ以前の「ノスタルジー」が強い人ほど必要な、2021年の心構え2020年が暮れる。この1年、我々は何を失い、何を得ることができただろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

コロナ感染「第3波」の一方で
活況を呈する株式市場

 2020年も残すところ1ヵ月を切った。本来であれば、東京オリンピックを無事に終え、来年の構想を練っていた時期かもしれない。昨年の今頃は、現状への満足と2020年への期待を語る人が多かった印象がある。

 しかし、2019年末から2020年初めは、不穏な動きがあり、油断できない状況であった。筆者は、今年1月30日のダイヤモンド・オンラインへの寄稿で、以下のように述べた。

中国当局は、武漢で発生した新型肺炎の感染拡大を防ぐため、1100万人都市の武漢を事実上、封鎖した。イギリスではEU離脱法案が可決され、ヘンリー王子とメーガン妃は英国王室を離脱する。2020年代は、統合・融合が加速した2010年代を経て、新たな分断・隔離の時代になるのではなかろうか。

 武漢で発生した新型肺炎が世界に蔓延し、全世界の人々の日常を根こそぎ変え、親しい人の命すら奪うことになると、当時の筆者が予想できていたわけではないが、2020年代が分断と隔離に明け暮れる1年で始まったことは皮肉というしかない。

 しかし、そんな2020年は終わろうとしている。新型コロナウィルスの足元での感染拡大は第3波といわれ、感染者数が増加している。一方で、新型コロナウィルスのワクチンがいよいよ実用化の運びとなり、まもなく接種が始まる。証券市場はこのニュースを受けて活況を呈し、新規上場社数はすでに2016-~2019年を上回っている。日経平均株価は27年ぶりの2万7000円台回復も視野に入っている。