経済的に自立して早期リタイアを果たす「FIRE」を目指し、
株式投資を始める個人投資家が増えている。
その多くの投資対象は日本株だが、じつは米国株こそFIREへの近道だ。
米国株は日本株より手堅い。
某大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始め、
2020年に資産1億円達成を計画。
計画を前倒しで2019年に目標達成、51歳で早期リタイアを実現した。
初の著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、
早期リタイアの大きな原動力となった米国株の投資術を全公開。
これまでの投資歴や投資銘柄、今さら聞けない米国株投資の基礎の基礎から、
年代や目的別の具体的な投資指南、最強の投資先10銘柄に至るまで、
“初心者以上マニア未満”の全個人投資家に役立つ情報を徹底指南する。

ETFPhoto: Adobe Stock

米国株式市場には
世界中から資金が集まっている

世界の株式の時価総額は約98兆7000億米ドル(2020年11月末時点)。

そのトップは米国株で、全体の41.3%を占めています。

金額にすると40兆8000億米ドルです。

それに対して日本株は6.9%。米国株の6分の1ほどの規模です。

私は米国個別株ばかりでなく、米国株ETF(Exchange Traded Fund)への投資もすすめます。

ETFは日本語では「上場投資信託」と呼ばれており、S&P500や日経平均株価といった株価指数(市場全体の株価の動きを反映するようにデザインされたもの)などに連動するように運用されています。

米国株ETFの運用会社は、裏づけとなる米国株を実際に保有しており、株式と同じようにニューヨーク証券市場(NYSE)や東京証券市場といった株式市場で自由に売り買いできます。

アメリカでは2200本近いETFが取引されており、資産額は4兆4520億米ドル(およそ462兆円)を超えています。

東証一部2160社の時価総額がトータルで615兆円ですから、いかにアメリカのETFに多くの資金が集まっているかがわかります。

これだけ大きな資金が集まるのは、それだけ米国株が魅力的であり、利益をあげられる期待値が高いからです。

日本の公的年金を運用している「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)は、167兆円もの資産を運用する世界最大級の機関投資家ですが、資産の26%ほどを外国株式に投資しており、ETFなどを介して多くの資金を米国株で運用して多額の運用益を上げています(2020年度第2四半期末現在)。