今年に入って日銀は資産買い入れ等基金による長期国債買い入れ(期間1~3年の国債)を25兆円増やした。これにより短中期国債の需給がタイトになり、3年物国債利回りは政策金利(0.10%)と並ぶ水準に張り付いた。また、円高傾向が止まらないことなどを背景に、日銀による同様の政策が長期化するとの思惑が広がり、3年超の国債利回りが低下している。

 償還までの期間が短くなることによる利回り低下のことをロールダウン効果というが、日銀の政策の長期化を前提とすれば、4年物国債は1年後には利回り0.10%の3年物国債となる可能性が極めて高いことから、投資家はかなり高い確率でロールダウン効果を享受できる。

 つまり、現在利回り0.15%弱の4年物国債の価格が上昇(利回りは低下)することで高いリターンが期待できる。同様の観点から0.20%程度に張り付いている5年物国債の利回り低下も期待できる。

 しかし、5年間のリターンが0.20%では低過ぎるとの声も多い。図はフォワード2年物金利、つまり数年後に2年物国債利回りが何パーセントになっているのかを計算したものだが、3年後の2年物国債利回りは0.40%程度である。つまり現在の日本国債の利回りカーブには、デフレ脱却などを背景に3年後に2年物国債利回りが0.40%程度まで上がることが織り込まれている。