「年齢を重ねる」ということをつい、ネガティブに捉えてしまってはいませんか?
実は、年齢を重ねたからこそ、失敗と成功の経験を重ねて、わかるようになったことが増え、本当の自分らしさを十分に発揮できるようになるものです。
そんな経験豊かな余裕ある大人として、いくつになっても自信をもって楽しく軽やかに生きていくための秘訣を、大手アパレル企業に16年間勤務した経験を持ち、現在はファッションブロガー、大人気ユーチューバー、ファッションプロデューサー・ディレクターなどとして活躍しているミランダかあちゃんこと輪湖もなみさんが実感をもって伝えます。
本連載は、ミランダかあちゃん/輪湖もなみさんの最新刊『どうせなら歳は素敵に重ねたい』から再構成したものです。

服はあなたを強くする

着る服を変えるだけで、人は変われる。本当に。<br />自信を無くしていた彼女を激変させた1着の服とは?ミランダかあちゃん/輪湖もなみ
ファッションプロデューサー・ディレクター、YouTuber、ワードローブコンサルタント
有限会社モナミアンドケイ代表取締役社長
大手アパレル企業に16年間勤務し、専門店販売指導、店舗管理に携わった後、独立。アパレル業界での豊富な経験と知識をもとにした理論的な切り口と、提案するコーディネートの実践のしやすさが大人女性に支持され、ブログ「ミランダかあちゃんのスタイルレシピ」は月間300万PVを達成、YouTube「ミランダかあちゃんねる」は総再生回数1400万回を突破した。大人世代向けファッションブランド「JUST JOY」、リメイクブランド「STYLE04」のブランドプロデュースと運営の他、ファッション誌への執筆もおこなっている。
撮影:伊藤 翔

私が過去にクローゼットコンサルティングをした中で、印象的だったS子さんのお話です。

S子さんは、私がそれまで見てきた中で最も服が少なかった女性です。数枚のスウェットとシャツ、そしてGパンとコットンパンツが1枚ずつ。喪服を合わせても服は10枚ほどで、クローゼットはガラガラでした。

「出産後、子どもに汚されてもよくて、試着せずにパッとショッピングモールで買えるプチプラの服ばかりになってしまいました。ちょっとおしゃれしたいと思っても、会社員の頃に着ていた服は、モテ女子っぽい服ばかり。全体的にチープな印象で、もうすぐ35歳になる私には合っていないと思いました。

それで持っていた服をほとんど捨てちゃったんですけど、これから何を着たらいいのか、まったくわからなくなってしまいました。ろくな服がないから、公園でママ友に会うのも怖くて」

か細い声でそう言う彼女は、ワラにもすがる思いで、このコンサルティングに申し込んだと言います。

「S子さんは、これからどんな女性になりたいですか?」

と尋ねても、「うーん」と沈黙するばかり。

そこで、クローゼットコンサルティングはやめ、二人で1駅先の百貨店に出かけ、とにかくたくさんの服を見て回ることにしました。