原油相場は上昇している。今年1月13日には、米国産原油のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で1バレル当たり53.93ドル、欧州北海産のブレントで同57.42ドル台まで上昇し、昨年2月以来の高値を付けた。

 11月初めには5カ月ぶりの安値を付けたが、その後は、新型コロナウイルスのワクチン開発への期待などから株式や工業用金属など他のリスク資産と同様に原油相場も持ち直した。12月3日にOPEC(石油輸出国機構)に非加盟産油国を加えた「OPECプラス」の閣僚会合で協調減産の小幅縮小(=小幅増産)で合意したことも支援材料だった。

 当初、OPECプラスは日量770万バレルだった協調減産幅を2021年1月から同580万バレルへと縮小する予定だった。しかし、需給緩和を懸念して、同720万バレルへの小幅縮小にとどめた。

 同時に閣僚会合を毎月開催することや、毎月の減産縮小(=増産)幅が同50万バレルを上回らないことなども決定した。これらを受けて他のリスク資産に比べ出遅れていた原油に対し、見直し買いが強まることになった。