ワクチン接種後の生活、イスラエルにヒントカードゲームに興じるバイト・バレフの入居者(24日) Photo:Kobi Wolf for The Wall Street Journal

【ペタフ・ティクバ(イスラエル)】介護付き高齢者住宅「バイト・バレフ」の入居者とスタッフが先月、米ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種を受けたとき、自然発生的にダンスパーティーが開かれ、彼らは互いに6フィート(約1.8メートル)の距離を保ちながら腰を振った。

 テルアビブ東部の都市にある同施設では、110人の高齢者と45人のスタッフ全員が既にワクチンの2回の接種を受けているが、さほど歓喜に満ちた雰囲気ではない。イスラエルは依然、ロックダウン(都市封鎖)されており、感染は国中に広がっているため、通常の状態に戻るのはまだかなり先のようだ。

「いつ終わるかわからない」。23人の孫に何カ月もハグできていないイレイン・アバーさん(89)はこう話す。「それが今の気持ちだ」

 イスラエル市民は、世界で最も積極的なワクチン接種作戦の最前線にいる。1回目の接種を受けた人は人口の30%以上、2回目も受けた人は14%にそれぞれ達しており、ワクチン接種が社会の標準となっていく中で、生活がどうなっていくのかをこの国の住民は垣間見せてくれている。