「英語が通じる、通じない」は”口の形”で決まる!
学校では単語や文法の勉強がメインで、発音を詳しく習いません。そもそも、アルファベットの発音をしっかり習いましたか? アルファベットも、小さな発音の連なりでできています。アルファベットが正しく発音できなければ、単語も正しく発音できません。人間の脳には「発音できない音は聞き取れない」という特性があります。発音ができなければ、文法や単語もどれだけ覚えても、英語でコミュニケーションはとれません。
本連載は、正しい英語発音を最短最速で身につけるノウハウを伝えるものです。著者は、国際ヴォイストレーナーの山下まさよ氏。ビジネスマン、英語講師、客室乗務員の発音を指導し続け、その実績は1万人を超えます。初の単著『英語の声トレ 国際ヴォイストレーナーが教える「やさしい英語発音」』を出版し(2月10日刊行)、「アルファベットの発音の仕方」から「ネイティブに近づく発声テクニック」まで、英語発音のすべてをあますところなく伝えています。
(イラスト:ササキサキコ)

「日本人の英語」が通じないのは“口の形”が原因だった!

正しい英語発音を最短最速でマスターする!

 長年、単語や文法を勉強してきて英語に自信があったのに、仕事や海外旅行では、英語がさっぱり通じなかった経験はありませんか。

 例えば、「light」と言ったつもりが「right」と勘違いされたり、「coffee」と注文したのに「coke」が出てきたり……。

 その原因は“口の形”にあります。

 実は「英語が通じる、通じない」は口の形で決まると言っても過言ではありません。

 英語発音を習得する近道は、口の形を変えること。そして英語発音と日本語発音の舌の位置の違いを把握して、変えていくことです。

 例えば、[l]と[r]です。「la」「ra」と書かれていたら、ローマ字読みでは「ラ」と同じ発音をします。

 しかし、英語の発音は舌の動きが異なります。[l]は舌先を上前歯の裏につきます。一方、[r]は舌先をどこにもつけず、舌全体をのどの奥にスライドさせます。

 この舌の動きは日本語にはありません。英語発音を身につけるためには、舌の動きをマスターする必要があるのです。

 日本語の舌から英語の舌に変えることは、実は簡単にできます。口の形を矯正することで、舌の位置も矯正されて声が変化します。

 例えば、口を横に引いたまま、日本語で「いー」と言ってみてください(下の左イラスト)。

「日本人の英語」が通じないのは“口の形”が原因だった!

 次に、人差し指を軽く噛み、口を前に突き出したまま、同じように「いー」と言ってみてください。先ほどの「いー」ではなく、「い~」となりますね。このように口の形を変化させると、同時に舌の位置も変化し、発音が変わっていくのです。