モバイル事業で県内シェア約5割の沖縄セルラー電話。圧倒的な顧客基盤のもと、質の高いサービスの提供で8期連続増収増益、19期連続増配を達成し、今期も記録更新はほぼ確実だ。オンライン診療など新規事業への投資も積極的で、さらなる成長が期待できる。

どんな会社?

モバイル事業のシェアは約50%と圧倒的!

 沖縄県内43社の出資によって1991年に設立。翌92年、「県民のための通信会社」として、それまでNTTが独占していた携帯電話事業に参入した。

 東西約1000キロメートル、南北約400キロメートルの広い海域に、有人の島だけで40近くが点在する沖縄県。1つひとつの島に基地局を整備するのは大変な作業だ。しかし、県民に良質な通信サービスを提供したいという思いから、他の通信会社より人口カバー率が圧倒的に高く、台風にも強い通信ネットワークを構築した。

 その結果、「他の会社よりも通じやすい」というユーザーからの高い評価を得て、スマートフォンをはじめとするモバイル事業の県内シェアは約50%に。2010年にスタートした家庭向け光ファイバー通信(FTTH)サービスも30%以上のシェアを誇る。

 モバイルと固定回線の2つを提供する総合通信事業者であり、多様なニーズに「1つの窓口」で対応できることも、高いシェアを支える理由の1つだ。

 19年には、沖縄電力と業務提携して一般家庭向け電力供給事業である「auでんき」もスタート。「事業を通して、沖縄経済の発展に貢献する」という企業理念のもと、通信の枠にとらわれずサービス領域を広げている。

 97年4月、日本証券業協会に株式を店頭登録(現・東京証券取引所JASDAQスタンダード上場)。20年3月期の営業収益は680億円と県内トップクラスの民間企業に成長した。21年6月には創立30周年を迎える。

top interview

県外の株主の皆様にも
“3増”で恩返しをしていきます

沖縄セルラー電話 代表取締役社長 湯淺英雄(ゆあさ・ひでお)

増収・増益・連続増配で恩返しと語る湯淺社長
 おかげさまで、当社の株主の数は順調に増えています。19年3月期には6000名弱だったのが、21年3月期第2四半期には約1万8000名と、1年半で3倍以上になりました。

 とくに個人株主の増加が顕著で、県外の投資家の方々の割合が高まっているようです。8期連続増収増益、19期連続増配と、約3700社ある上場企業の中でもトップ10に入る連続増配記録を更新していることが、高く評価されたのではないかと思います。

 当社は「沖縄経済の発展に貢献すること」を企業理念としていますが、もちろん県外の株主の皆様にも、増収・増益・連続増配の〝3増〟で恩返しをしていきます。これからも沖縄県と沖縄セルラー電話に厚いご支援をお願いします。