東エレ、ディスコは活況もニコンは低迷、半導体関連メーカーの明暗半導体需要が高まっています。ただその影響には差があるようです Photo:PIXTA

5G投資の加速や自動車のEV化などを背景に、半導体需要が高まっている。こうした状況を受け、活況を呈するのが、半導体製造装置などを手掛ける関連企業だ。コロナ禍でも増収増益を見込む企業がある一方で、同じく半導体製造装置を生産するニコンは業績が低迷している。その理由とは何か。(クリアリーフ総研代表取締役 高橋潤一郎)

活況続く半導体市場
関連メーカーは好調

 海外では新型コロナウイルスのワクチン接種も始まり、国内も新規感染者数は減少に転じているが、収束にはまだまだ時間がかかりそうな状況となっている。観光、飲食、航空業界などは厳しい経営環境が続く。

 しかし電機・エレクトロニクス業界においては、今期の業績予想を上方修正するところが相次いでおり、底打ち感がある。なかでも半導体関連のメーカーや商社は、コロナの影響が丸かぶりだったはずの今期の通期業績が前期実績を上回る見通しのところさえある。

 5G投資の加速、さらには自動車の電動化などを背景に、半導体需要は旺盛で、需要が供給能力を上回り「半導体不足」という大きな問題が生じているほどである。エレクトロニクス業界では好景気を実感している人が少なくない。

 シリコンサイクルの懸念はあるが、足元で需要の逼迫(ひっぱく)は大きく、半導体メーカーは増産投資に動いている。こうした流れを受けて、半導体製造装置メーカーの業績も伸びており、専業大手の今期業績は躍進が見込まれている。