免疫力の嘘#12Photo:PIXTA

薬やワクチンを否定する自然派医者、権力闘争に敗れ名誉欲をこじらせた医者、一方で、大学の医学部教授など権威側にいる人間がその肩書を使って自らを教祖化していることも。なぜ彼らはダークサイドに落ちるのか。特集『免疫力の嘘』(全13回)の#12では、間違った医学情報で人々の健康を脅かす医者たちにだまされないための要注意ポイントを紹介する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

“お医者様”でも間違ったことを言う
それが故意なら罪は大きい

 人生は思うようにいかない。誰もが道を踏み外しそうになる一瞬というのがあるものだ。

 しかし、そこから戻って来ることができず、世の中にあだなす存在になるまで落ちてしまう者がいる。

 それが「人の命を救う」医者という職業の人間ならば、その害はさらに大きいものになるだろう。

 実は、ちまたにあふれる間違った医療・健康情報の発信元は、他の誰でもない医者であることが圧倒的に多い。やはり一般人であるわれわれにとって、医師免許のご威光は絶大。「お医者様が言うのだから間違いない」と思ってしまう。

 特に、今回の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のようなことが起きる混沌とした時代では、彼らの言説が世論を混乱させるばかりか、間違った情報で命を落とす人が出ないとも限らない。実に困ったものである。

 さて、彼らの多くはメディアやSNSに頻繁に登場し、自説を振りまいているが、実にさまざまなタイプが存在することに気付く。

 なぜ彼らは「人の命を救う」という医者の本分から外れ、ダークサイドに落ちてしまったのか。精神科医であるチー太郎氏と、彼らの経歴や言動にありがちな傾向を洗い出し、人となりをプロファイリングしてみた。

 今回は、「元エリート」「自然派」「医学部教授などの権威」という、典型的な3タイプを挙げて、それぞれの特徴を順番に見ていくとしよう。医者が発信する情報は今後も増えるだろう。その3タイプを知ることは、“医者による害悪”を避けることにもなる。