中国・海南島が「第二の香港」になる!?自由貿易港化をめぐる政府の思惑海南省最大の都市海口市の市場で熱帯フルーツを買う海外からの観光客(著者提供)

2025年、海南島が中国で特異的な島になる

 春節が終わりに差し掛かった頃、中国のネット界隈では、「2025年に、南シナ海北部にある海南島が“香港”になる」というニュースに沸き立った。

 厳密に言えば、第13回全国人民代表大会(以下、全人代)の常務委員会第24次会議で、海南自由貿易港法(草案)の審議が始まっただけのことだ。しかし、海南省だけのためにわざわざ立法しようというわけなので、海南省の特異性に注目が集まっている。

 海南島(海南省の大部分を海南島が占める)を自由貿易港、つまりフリーポートにするという中国政府の構想は、2020年6月に正式に発表されている。構想の主な内容は、お金・人・モノの自由移動を認め、税体制も中国本土と違い、フリーポートにふさわしい独自の体制になる。わかりやすく言えば、香港並みに持っていこうとするものだ。

 構想の細部がわかる噂もいろいろと出てきている。

 まず、海南島が“香港”になるタイムリミットがはっきりと出ている。2025年までに、海南島と中国本土との隔離作業をすべて完了するという。この隔離は法体系、税金体系、身分証明関連の公的書類なども含む。

 そうなると、2025年以降、海南島にはいろいろと大きな変化が起きるはずだ。