浅草1人あたりを基準に試算すると、緊急事態宣言の2週間程度の延長で、首都圏住民は無視できない損失を被る可能性が高い(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「2週間程度の延長」議論が浮上
緊急事態宣言はなぜ解除されないか

 東京都の新型コロナの感染者数は、2月6日を最後にもう1カ月近く500人を割り続けています。

 2021年1月に緊急事態宣言が再発出された際、1月7日の衆院議院運営委員会で西村康稔大臣は、「緊急事態宣言解除の目安は東京で1日500人以下の感染が目安だ」と説明しました。にもかかわらず、ずっと延長が続いていたところ、今度は首都圏の1都3県の知事が共同で緊急事態宣言をさらに2週間、3月21日まで延長することを国に要望しました。

 そして菅首相は、その要望を受ける意向です。なぜ、いつまでたっても緊急事態宣言を解除しないのでしょうか。

 当初、その理由は病床数にあると説明されていました。1月中旬には東京都の1日の感染者が2500人に達し、入院治療を要する患者が一時2万人を超えました。東京都が用意した対策病床数が8290床しかなかった中で、まさに医療崩壊の危険水準を超える危機でした。

 2月に入って感染が衰え、東京で1日の新規陽性患者数が500人を割り込んでも緊急事態宣言が解除されなかった理由は、2月上旬はまだ病床使用率が高かったからです。医療崩壊を起こさないことが緊急事態宣言の目的であり、1月のように陽性患者を受け入れる病床がない状況は、なんとしても解消しなければいけなかった。ここまでは理解できる話です。

 しかし3月に入り、東京、埼玉、神奈川の病床使用率は4割前後に落ち着いています。千葉県の病床使用率だけがまだ7割と高いことは気になりますが、1人の陽性患者がどれだけの人数にウイルスをうつすかを示す実効再生産数も1を切り続けているので、病床の使用率がここから上がることも考えにくい。それでも解除しないのは不思議な話ですが、なぜなのでしょうか。