現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

乳製品Photo: Adobe Stock

牛乳が毒になる人もいる

牛乳は学校給食に採用されているほか、東京都健康長寿医療センターで行われた調査において、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を定期的にとっている人は介護の対象になりにくいという結果が出ています。牛乳は吸収されやすいカルシウムとたんぱく質が豊富で、成長期の子どもの骨と体をつくる、骨粗しょう症になりにくくする、高齢者の筋肉や骨を守るために欠かせない健康飲料です。

ところが、一部の人にとっては牛乳が毒となることもあります。まずは乳糖不耐症。日本人には牛乳に含まれている乳糖を分解できない人がいます。牛乳を飲むとお腹が痛くなる、下痢をしてしまう人は体質的に牛乳が合わないので無理して飲んではいけません。牛乳を飲む最大の目的とされるカルシウムは小魚やおきあみ、桜えび、骨ごと食べられる魚の水煮缶、小松菜、豆腐、厚揚げ、納豆、ごま、アーモンドなどからもとれます。たんぱく質は魚、肉、卵、大豆からとればいいのです。乳糖不耐症の人は、発酵過程で乳糖が分解されているヨーグルトやチーズは食べても大丈夫です。

カゼインフリーという選択が必要なことも

次にホルスタイン牛の牛乳に含まれているベータカゼインA1に対する抗体がある人も注意が必要です。体内でカゼインからつくられるβカソモルフィンが、1型糖尿病を引き起こす危険があります。

私のクリニックで抗体検査を受けた、認知機能に不安のある患者さんの半数以上がカゼインに対する抗体を持っていることがわかりました。抗体ができているということはその人の体にとっては牛乳が毒であるということです。カゼイン抗体ができている人は、乳製品全般を控えるのが望ましいです。患者さんに話を聞くと、牛乳が好きな人がカゼインの抗体を持っていたり、パンを毎日食べるパン好きの人からグルテンの抗体が出ることもあり、なかなかうまくいきません。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
牛乳を飲むとお腹が痛くなる、<br />下痢をしてしまう人のための、<br />カルシウムのとり方とは?

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。