1億総リストラ#14Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

新型コロナウイルスの集団感染で人々の脳裏に刻まれた大型豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号。実は米運航会社日本法人による整理解雇を巡り、激しい争いが東京地裁で繰り広げられている。特集『1億総リストラ』(全14回)の最終回では、ホンネむき出しの会社側の主張など、裁判の深層に迫った。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

整理解雇4要件は金科玉条で守れと?
「日本経済壊滅するよ」

 2020年2月、神奈川県の横浜港に停泊する大型豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号の姿が人々の脳裏に深く刻まれた。新型コロナウイルスの集団感染が起きた同船は、連日テレビ画面に映し出された。

 同船を運航する米運航会社の日本法人であるカーニバル・ジャパンは20年6月、急激な業績悪化や運航再開の見通しが立たないことを理由に従業員の半分弱に当たる24人に退職勧奨を実施。これに応じなかった従業員を整理解雇した。整理解雇された従業員4人は会社と日本法人社長を相手取り、東京地方裁判所で激しい法廷闘争を続けている。

 提訴前の団体交渉時、会社側代理人弁護士は経営側のホンネをむき出しにした。

「あんな裁判所が考えたような(整理解雇の)4要件なんてものをね、金科玉条のごとく言ったって日本経済壊滅するよ。そんなことやってたら」
「裁判所がね、この会社の経営の面倒を見てくれるんですか」

 これに従業員側も応酬し、団交は大紛糾した。