10月19日の朝日新聞(朝刊)に、「意思の文書化 豪州に見る-最期の治療 自分流に」と題して、オーストラリアのACP(アドバンス・ケア・プランニング)が紹介されていた。少子高齢化が急速に進んでいるわが国にとっても、終末医療の問題は決して他人事ではない。ACPとは、どのような制度・仕組みなのだろうか。

元気なうちに患者と
医師・看護師がじっくり対話

 ACPは、患者の意思決定支援計画と訳されている。人生の最期に、延命治療を望むかどうか、患者が医師・看護師らとの対話を通して、自分の価値観に合った治療やケアの方針を決めておく仕組みのことであって、同紙によると、ACPに記入する主な項目は次の通りとなっている。

自らの“逝き方”を元気なうちに決めておく<br />「ACP」をみんなで考えよう

 ACPは米国生まれだが、豪州では2002年、ビクトリア州のオースティンヘルス病院が始めた。人口約110万人のオースティン地区では、この5年で約1万人がACPを作ったという。ビクトリア州の保健大臣は、「将来的には、ACPを全ての住民に作ってほしい」と述べているようだ。