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JTが国内で3000人規模の人員削減と113拠点の閉鎖をする。国内たばこ市場の縮小と、加熱式たばこの出遅れという苦境からの脱却は程遠く、上場以来初となる減配に踏み切った。JTの寺畠正道社長を直撃し、リストラの真意と打開策を聞いた。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

国内3000人規模の人員削減
160拠点を約7割減らし、47拠点まで縮小

――国内で3000人規模の人員削減、113拠点の閉鎖を行います。

 これからは、今までのたばこの売り方とは違うやり方をしなければなりません。同じ規模で事業を継続できる環境ではないのです。

(人員削減などは)ステップを踏んでいます。19年に(スイスに本社を置き、海外事業を束ねる)JTインターナショナル(JTI)側で始めたのは、各人がどの責任を持つのか、権限を明確にすることでした。できる限りローカルのマーケットに責任権限を落とし、スピード感を持って早く意思決定ができるようにするなど、フォーマットを作り上げたのです。

 今回はJTIが作り上げたフォーマットを日本にも適用します。そのフォーマットを適用させると、余剰人員が出る。加えて、(拠点の数も)行政とたばこ規制の話をすることを踏まえれば、企画機能を持った営業拠点を47都道府県単位で1つずつ置き直すことで、現状に即したものになるのです。

 どちらかというと(営業力などを)強化することになると思っています。地域との関係性を強化し、地域それぞれで自分たちが考えていることを実行できるようになりますから。

――ただ、拠点の数だけ見れば、113拠点減っているわけで、営業力や競争力が弱体化するのではないですか。