銀行の高金利定期預金で税務署がもうかる?預金者が注意すべき点はPhoto:PIXTA

投資信託購入との抱き合わせで勧誘される、金利4%など高金利の定期預金。そんなおいしい話が、本当にあるのだろうか?低成長とゼロ金利政策で追い込まれた銀行の手口を明かそう。(経済評論家 塚崎公義)

破格の金利で定期預金を勧めてくる下心とは?

 銀行が、退職金を受け取った客などに、「ただ今キャンペーン期間中なので、まとまった金額を預けていただけるのならば、金利4%の定期預金を特別にご提供します」などと言ってくることがある。

 超低金利時代に金利4%で定期預金を預かってくれるのであれば、非常にありがたい話であるが、世の中のウマイ話には裏がある場合が多いので、慎重に検討しよう。

 そもそも銀行はなぜ、そんなおいしい話を持ってきてくれるのだろう?銀行が客から高い金利で定期預金を預かっても、その資金はゼロ金利で運用されることになるのだから、銀行にとっては赤字要因となるだけなのに。

 考えられるのは、「他の銀行から多額の預金を当行に移していただけるなら、それくらいの金利は安いものです」ということであろうが、銀行が預金を集めたくて仕方のない時代ならいざ知らず、今の銀行は預金を集めることに熱心ではない。必要な資金はいくらでも日銀がゼロ金利で貸してくれるからである。

 そうであれば、銀行の意図は「その代わり、抱き合わせで同額の投資信託を購入していただきたい」ということであろう。実際、そうした事例が多いようである。もともと投資信託を多額に購入するつもりで銀行を訪れたという場合ならよいが、そうでもないときに「あめ玉」に釣られて買う予定のなかった投資信託を大量に買うことになるならば、それは問題かもしれない。

 余談であるが、そもそも退職金が出たタイミングで多額の投資信託を一気に買うこと自体、筆者はお勧めしていない。後から振り返るとその日がたまたま株価の高い日であった、という可能性があるからだ。多額の投資信託を購入する場合には、少し時間をかけて何回かに分けて購入する方がリスクを軽減できるので、そう心がけるべきである。