妻の浮気が原因で離婚。突如、5歳の息子との父子家庭になった。手元に残された全財産は90万円。定時退社で保育園へ息子を迎えに行く毎日で、残業代ゼロ。年収400万円で、カツカツの生活だった。ギリギリの節約生活で、4年で1000万円を貯め、本格的に株式投資を開始。紆余曲折を経ながらも某企業の大株主になり、資産2億円以上を築いた。いまや成長し、就職した息子とふたりで焼鳥屋に行ったとき、これまでの半生を振り返り、「投資家」と「労働者」の話をした。
「サラリーだけで生きられる時代は終わった」
「億の資産をつくるにはお金に働いてもらうことだ」
「リスクをとらないと得られるものはないぞ」
離婚して父子家庭になり、全財産90万円から資産2億円以上を築いた父親が、投資術を初公開。いま息子へお金と投資の話を教える『どん底サラリーマンが株式投資で2億円』

全財産90万円から株式投資で2億円<br />会社員のサラリーだけで<br />生きられる時代は終わったPhoto: Adobe Stock

「ほっとけ投資」という投資スタイル

【前回】からの続き。

そんな話をしても、息子はピンとこない様子だった。

会社勤めも投資経験もない大学生の息子がピンとこないのは、無理もない。

仮に自分自身の父親が株式投資をやっていて、自分が就職活動をしているときに父親から似たような話をされたとしても、同様にピンとこなかっただろう。

そこで、2人でビールのお代わりを頼み、今度は次のような話をしてみた。

息子には、自分の人生をそっくりそのまま真似してほしいと思っているわけではない。

父親としては、自分の好きな道を歩んでもらいたい。

ただし、単なるサラリーマン(=労働者)のままで生きられる時代は、もう終わったとはっきり伝えたのだ。

自分がサラリーマンになったのは、1990年のこと。

ギリギリ、「終身雇用」と「年功序列」という日本的経営が残っていた時代だった。

しかし、いまとなっては終身雇用も年功序列も完全に崩壊している。

一度就職したら生涯安泰というわけではないし、サラリーだって保証されているわけではない。

業績次第ではリストラだって考えられるし、雇用情勢が悪くなってくると、一度職を失えば再就職するのも容易ではないだろう。

このままデフレが続けば、会社にしがみついていても、サラリーの上昇はそれほど望めない。

逆にインフレになっても、物価の上昇に見合うほどにサラリーが上がる保証はどこにもない。

デフレになっても、インフレになっても、少子高齢化が進んで社会保障の負担が増えれば、個人が自由に使えるお金は減っていく一方だ。

もし息子が漠然とでも将来、結婚して幸せな家庭を築きたいと思っているとしたら、サラリーマンとしての稼ぎだけではカバーできないことも十分に考えられる。

少なくとも、ある程度の余裕がある生活は難しいかもしれない。

サラリーマンも基本的にはアルバイトと同じように時間と体力を切り売りしながら働いている存在だ。

コロナ禍もあって副業を許すような風潮が広がってはいるが、会社に時間も体力も使っていたら、副業に精を出そうにも出せない。

ダブルワークで時間も体力も使い果たした挙げ句、体調を崩したり、本業に身が入らなくなったりしたら本末転倒だ。

その点、株式投資は、忙しいサラリーマンに変わって、お金が勝手に働いて稼いでくれる。

しかも、自分が推奨するのは「ほっとけ投資」というスタイル。

これから語る七転び八起きの人生で、最終的にたどり着いた投資法だ。

「ほっとけ投資」は、いわゆる「バイ&ホールド戦略」。

一度投資したら株価の変化に一喜一憂することなく、ほったらかしにするだけなので、普段の仕事にも日常生活にも1ミリも影響しない。

リスクを冒して副業などに手を出すよりも、よほど確実な方法だと思っている。