三越Photo:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、3月度の百貨店編だ。

三越伊勢丹、高島屋も…
百貨店の3月業績が「急回復」に見えるワケ

 百貨店の主要4社が発表した3月度の月次業績データは、以下の結果となった。

 三越伊勢丹の既存店売上高は、前年同月比125.1%(25.1%増)、高島屋の国内百貨店売上高は同128.0%(28.0%増)、大丸松坂屋(J. フロント リテイリング)の百貨店事業合計は、同134.1%(34.1%増)、阪急阪神百貨店(エイチ・ツー・オー リテイリング)の全店売上高は、同132.6%(32.6%増)だった。

※屋号変更の影響で19年10月〜20年9月のみ開示があった「既存店売上高」の指標をベースにしているため、20年10月以降は「全店売上高」を便宜上「既存店売上高」と表記している。
 今回取り上げる4社全てが前年実績を大きく超えており、数字上は業績が「急回復」しているように思えるが、業績を時系列で確認していくと百貨店各社の崖っぷち具合が見えてくる。