キリンビールPhoto:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、3月度のビール編だ。

キリンの3月ビール販売数3%増と
アサヒの販売額2%減に大差がある理由

 ビール業界の主要4社が発表した3月度の月次業績データ(ビール類計販売数量、ビール類計販売金額)は、以下の結果となった。

 キリンビール(キリングループ)のビール類計販売数量は、前年同月比103%(3%増)、アサヒビール(アサヒグループホールディングス〈HD〉)のビール類計販売金額は同98%(2%減)、サントリー(サントリーホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量は同100%(前年並み)、サッポロビール(サッポロホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量は同99%(1%減)だった。

*「ビール類」とは、ビールに加えて発泡酒や新ジャンルを含む呼称。

 4社とも前年同月比98〜103%を推移しており、ほぼ前年並みの水準を維持しており、ビール業界は概ね好調に見えるのだが、詳細を見ていくと各社が置かれた状況の違いが見えてくる。特に2強であるキリンとアサヒの比較は多くの示唆に富んでいる。