プリンスホテルPhoto:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、3月度のホテル編だ。

プリンスホテル、京王プラザ、東急ホテルズ…
違和感だらけなホテルの3月業績「前年超え」の正体

 ホテルの主要3社が発表した3月度の月次業績データ(宿泊客数、売上高、店舗売上高など)は、以下の結果となった。

 プリンスホテル(西武ホールディングス〈HD〉)の宿泊客数は前年同月比107.5%(7.5%増)、京王プラザホテル(京王電鉄)の売上高は同105.7%(5.7%増)、東急ホテルズ(東急)の店舗売上高は同112.9%(12.9%増)だった。

 上記の数字を見て違和感を覚えた人も多いのではないだろうか?3月は東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県を対象に緊急事態宣言が続いており 、「県境をまたぐ移動の自粛」の呼びかけなどが行われていた。それにもかかわらず、なぜホテル3社の業績は前年実績を超えているのだろうか。これにはデータ上のカラクリがある。