厳密にいえば、「遺書」と「遺言書」は異なります。厳密に言えば、「遺書」と「遺言書」は異なります(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新型コロナウイルス感染症対策として、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が各地で延長された。その影響は多くの業界に及んでいる。映画『くれなずめ』もGW公開が延期され、5月12日(水)公開となった。映画を見て、改めて30代の「終活」について考えた。※ネタバレを含みます。(税理士、岡野雄志税理士事務所所長 岡野雄志)

「もしかして俺って死…」
残された人の揺れる思い

 友人の結婚披露宴で余興をするため集まった、現在はアラサーで元・高校の「帰宅部」仲間。カラオケボックスで余興の練習中、成田凌演じる主人公・吉尾和希がこんなセリフを発する。「ずっと気になってたんだけど、もしかして俺って死…」。

 仲間たちがワーッと声を上げ、それを遮る。

 この予告編シーンで「『くれなずめ』を見たい」「続きを見たい」と思った方もいるのではないだろうか。2017年に上演された劇団ゴジゲンの舞台をご覧の方はすでにご存じの通り、これから映画を初めて見る方には早々にネタバレして申し訳ないが、そう、主人公はすでに絶命している。

『くれなずめ』は、その友人の死を認めることができずに、過去を書き換えようとする仲間たちと吉尾本人の「暮れなずめない時間」の物語である。仲間を演じるのは、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹。

 ほかに、前田敦子、城田優、飯豊まりえ、内田理央、滝藤賢一、近藤芳正、岩松了、パパイヤ鈴木…などが脇を固める。一瞬だけの登場というのもあるので、「あ、あんな役者がこんな役で!」と発見するのも、この映画の楽しみかもしれない。