著者の鶴岡友也さん。株式会社STANDARD 代表取締役CTO。1996年生まれ。明治大学在籍中から、AI エンジニアのフリーランスとして複数の開発案件に携わる。東大人工知能開発学生団体HAIT Labの運営を通じながら、株式会社STANDARD を共同創業。各産業のDX 推進支援やDX リテラシー講座の作成、グループ会社の設立などに従事著者の鶴岡友也さん。株式会社STANDARD 代表取締役CTO。1996年生まれ。明治大学在籍中から、AI エンジニアのフリーランスとして複数の開発案件に携わる。東大人工知能開発学生団体HAIT Labの運営を通じながら、株式会社STANDARDを共同創業。各産業のDX推進支援やDXリテラシー講座の作成、グループ会社の設立などに従事(撮影/朝日新聞出版 写真部・張溢文)

「DX(デジタル・トランスフォーメーション)はあらゆる企業の経営戦略の中核になっていて、もうDXリテラシーによる人材の“線引き”が始まっています。新入社員も例外ではありません」

 こう話すのは『デジタル技術で、新たな価値を生み出す DX人材の教科書』(朝日新聞出版)の著者、鶴岡友也さん。24歳ながら株式会社STANDARDのCTOとして480社以上の企業にDX人材教育サービスを提供中。高密度のビジネス経験を踏まえ、後輩たちに勝ち残れるDX人材を目指すうえでの「心構え」をアドバイスします。

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DXリテラシーはなぜ必要なのか?

 いまの新入社員は「ザ・デジタルネイティブ世代」です。一方、いまどこの会社でもDXプロジェクトを担う人材がエンジニアサイドはもちろん、ビジネスサイドも非常に不足しています。なので、なかなかDXが進んでいない。

 DXが喫緊の主要な経営課題である以上、その人材は急いで自社で育てるか、外からプロを採用するかしかなく、戦略的な企業であればあるほど前者、自らDX人材を育てる方向に大きく舵を切っています。

 それはなぜか。DXは従来の自社のビジネスモデルを劇的に変え、飛躍的な成長をもたらす可能性を秘めているからです。その意味では、DXプロジェクトに携わることはビジネスパーソンにとって、極めて有力な「出世コース」になっていると言っていいでしょう。