集中の超プロが「今すぐ部屋に観葉植物を置こう」とすすめるワケPhoto: Adobe Stock

集中力が落ちた。
あの頃は、もっと没頭できたのに──

私たちは今、スマホやPCに1日平均11時間を費やしていたり、リモートワークによる働き方の変化に追われていたりします。
「人のパフォーマンスを可視化するメガネ型デバイス JINS MEME」「世界で一番集中できる空間 Think Lab」などを手掛けてきた井上一鷹氏の著書『深い集中を取り戻せ』では、集中のプロとして、「これからどのように働けばいいのか」「どうやってパフォーマンスをあげるのか」を語ります。
脳科学的に、「やらされ仕事は4ヵ月しか続かないけれど、やりたいことは4年続く」と言われます。あなたが、夢中で何かに没頭できた体験。やらされ仕事ではなく、自らやってみようと思えたこと。何が原因かわからないけど、いつの間にか、『深い集中』が失われたすべての人へ、ノウハウをお伝えします。

「植物の配置」で視覚を最適化する

 集中をアップさせるのに、ぜひ紹介したいのが、「植物の配置」です。

 これは、周辺視野に見えるように植物を置いたほうがよいということです。

「緑色を眺めると眼によい」というのは、誰もがなんとなく聞いたことがあるかもしれません。

 たしかに、緑色には、ストレス低減効果や疲労の軽減効果があるそうです。

 さらに詳しく説明すると、人の視野の120度内に緑色が含まれている割合を「緑視率」と呼び、その緑視率が「10~15%」のときに、人の集中のパフォーマンスがもっとも高まるという研究結果があります。

 人は、情報の約87%を視覚から取得していると言われています。

 PCと壁と机だけに向き合っていると、人工物かつ無機質な物だけしか視界に入ってきません

 それが8時間以上、毎日続いてしまうと、あまりに目の前に「ゆらぎ」がなく、つらくなってくるはずです。

 それを和らげてくれるのが、観葉植物などで緑視率を高める方法なのです。

 植物を見ると「落ち着いた気持ちになる」のは、植物によるゆらぎが副交感神経を優位にしているからです。副交感神経を優位にし、リラックスした状態を作り出せば、仕事への集中は長続きしやすくなります

 それに、副次的な効果として「直感の脳」を誘発し、アイデアが出やすい状態にもなるはずです。

 特に、クリエイティビティが落ちたような感覚がある人は、ぜひ、机まわりに観葉植物を置いてみてください。

井上一鷹(いのうえ・かずたか)
株式会社ジンズ執行役員 事業戦略本部エグゼクティブディレクター 兼 株式会社Think Lab取締役
NewsPicksプロピッカー(キャリア)
大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにて大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事後、ジンズに入社。商品企画部、JINS MEME事業部、Think Labプロジェクト兼任。算数オリンピックではアジア4位になったこともある。
著書『深い集中を取り戻せ』(ダイヤモンド社)が好評発売中。