月初に最高値を更新した米株価はこのところ続落しているが上昇基調は変わっていない。株価だけでなく、米資本市場では特別買収目的会社による企業買収資金の調達急増が見られたほか、ビットコインの価格なども高止まりしている。

 4月の消費者物価指数が予想以上に上昇したこともあって、バブルを懸念する声や金融引き締めが早まるとの観測が一部には出ているが、低成長・低インフレが先進国で常態化しつつある状況で、利上げによるバブル抑制を期待するのは非現実的だ。

主要国で長期化する金融緩和
低成長・低インフレは恒常化

 国際通貨基金(IMF)はこのほど、2021年の世界経済の成長率について、昨年10月時点の予想を0.5%ポイント上方修正して6.0%とした。

 とりわけ米国の上方修正が大きい。ワクチンの接種が順調に進んでいることに加えて、未曽有の財政金融政策がコロナ禍からの回復を後押ししているからだ。