教師#11Photo:PIXTA

「教師になりたいなら、まずは大阪市が狙い目」と、関西の学校教師はそうささやく。なぜ大阪市なのか?人気の私立学校や民間企業に転職する「成り上がりルート」とはどんなものなのか?特集『教師 出世・カネ・絶望』(全15回)の#11では、「成り上がりルート」の全貌、そして教師が転職活動で陥りやすい「失敗の法則」を明示する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

採用倍率は自治体ごとに差
試験のハードルを下げる所も

 大学で教員免許を取っても、教師になるには各自治体や学校法人の採用試験というハードルがある。

 私立学校なら有名校になるほど人気があり、ライバルが増える。一般企業の正社員に当たる専任教師は毎年必ず募集があるとは限らず、あえて採用人数を絞り人材を厳選している所もある。だから高倍率になりがちだ。

 公立学校なら年1回、教員採用試験が行われる。「“とりあえず”教師になりたいなら、関西エリアであれば大阪市が狙い目だ」と、ある関西の学校教師は話す。試験の採用倍率(競争率)は自治体によって差がある。2021年度の大阪市の採用倍率は3.4倍で、京都市の5.5倍、兵庫県神戸市の7.5倍などと比べて低いのである。

 まずは、教師になる。その上で採用された学校がブラック職場だったり、より良い待遇が欲しかったり、将来的に目指すものがあったりすれば、他校や民間企業に転職して成り上がればいい。